2008年3月14日 (金)

特別支援教育の行方は?(3)

昨日に、静岡県ろう学校の「聴覚特別支援学校」校名反対について、もう少し調べたところ、報告書などが出されているので、読んで事情を理解することも大切だね。

特別決議
ろう学校の校名変更に反対!
ろう学校の存続と充実を求めます!
http://www.e-switch.jp/sz-deaf/deafschool-demand-12th-forum.pdf

ろう学校の名称変更に関する今までの経過について
http://www.e-switch.jp/sz-deaf/progress_report.pdf

昨日に、次の記事が出されている。
この記事は時間が経つと、閲覧されなくなることを考えて、一部を引用してここに載せる。

http://www.shizuokaonline.com/local_politics/20080312000000000010.htm
「聾はPTA名などに」 県教育長、校名変更で提案
2008/03/12

 ---(引用)---
 ****県教育長は11日の県議会2月定例会文教警察委員会で、「聾文化を大事にしていくためにも、例えばPTAの名称などの形で(「聾」の言葉を)残すことができれば」との考えを示した。****氏(民主党・無所属クラブ、下田市・賀茂郡)の質問に答えた。
 ---(ここまで)---

この記事を読んで失望の思いが広がった。
ろう学校の存在意義について真剣に議論している人達の誠意さを受け止めて、行政側の関係者も真剣に考えて発言して欲しいと思っている。

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2008年3月12日 (水)

特別支援教育の行方は?(2)

東京えは、一昨日3月10日の朝日朝刊、社会面に、「ろう」学校から「特別支援」学校への校名変更に反対する記事が載った。

「聾学校、改称しないで」元生徒ら異議 割れる教委判断
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200803090193.html

私も、校名「特別支援」に対して反対である。

教育委員会が「特別支援」に拘る理由について、正直に言わせれば、腑に落ちない。
教育委員会が述べていることは、校名に無関係なことであり、なぜ「特別支援」に拘り続けている。
従来通り「ろう学校」にしておいて、専門性を高めていき、周辺の学校に協力できる体制にすることができる。
校名を変えれば、制度がスタートできるというものではない。

特別支援教育と変わったことにより、教師免許も変わった。
この内容も、人間自身の能力限界を無視したものになっていると思える。

今まで…
  「私の子供は、ろう学校へ通っているの。」

将来は…
  「私の子供は、特別支援学校へ通っているの。」

こういう会話場面が出てくるだろうか。

文部科学省の公式ウェブに、校名変更の状況が載っている。

文部科学省
校名変更状況
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/011/002.htm

このページによれば、大学附属校の全校、兵庫県、広島県、横浜市が、「特別支援」と変更している。
私の母校・筑波大学附属ろう学校も、筑波大学附属聴覚特別支援学校となっている。誠に心が痛い。

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2007年6月12日 (火)

特別支援教育の行方は?

日本における今のろう教育は、「ろう学校」から「聴覚特別支援学校」へ移行するといった、大きな変換に差し掛かっている。
特殊教育の「特別支援教育」理論をまとめた刊行物が、様々な大学や研究機関から発行されている。
文部科学省も刊行されている。

文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/001.htm

しかし、残念なことに、ろう教育に関しては、手話導入や手話教育の文字すら見つかっていない。
過去に、文部科学省がろう学校現場に手話を導入することを公にしたが、教育理論上では実現できていない。
誠に残念だ。
幾つかの理論を読むと、「補聴器等」という表記が多く出されているが、「手話、或いは、日本手話」という表記は大抵出ていない。
「日本手話」を明記した理論が一つ見つかった。それは、宮城教育大学だ。

宮城教育大学
http://www.kyoiku-shuppan.co.jp/books/4-316-80116-3.html

全日本ろうあ連盟が「ろう教育」に関して掲げているのは、「ろう児・生徒の集団生活が重要」。
特別支援教育理論には、ろう教育は集団生活の重要を述べたものが見当たらない。明記しているものはたぶんないと思われる。

いろいろな理論や刊行物を読んで、まず印象に残ったことは、「特別支援教育は、地域校に力点を入れているが、特殊学校の性質・機能の向上に注力してはいない」と感じられた。
このスタイルの特別支援教育をそのまま続けると、ろう教育は、時代逆行となるのではないか。
そういう危惧感を、今のろう学校から感じ取れていない。
今のろう学校はどうしたのだろうか。

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2007年3月17日 (土)

東京都立太田ろう学校・石神井ろう学校 閉校

20070317_001東京都立ろう学校の統廃合により、太田ろう学校と石神井ろう学校が廃校へ。

今日3月17日に、両学校の閉校式が行われていて、出席してきた。
1962年(昭和37年)に、ろう学校高等部単独校として、大塚ろう学校から石神井ろう学校、品川ろう学校から太田ろう学校が分離独立して以来、45年の歳月を経て、今年2007年3月31日に閉校されることになった。
昭40年3月(昭和39年度)に卒業した一期生は、現在、61歳となると思う。
愛着のある母校がなくなるのは、本当に寂しい想いであり、心痛ましい。

20070317_007 20070317_016左:太田ろう学校校旗が渡される。
右:石神井ろう学校校旗が渡される。

20070317_010

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2006年10月 8日 (日)

11/12:講演会のご案内 障害児に豊かな読書体験を―IBBYの活動から―

(財)日本障害者リハビリテーション協会で、次の通り、絵本に関する講演会が開かれる予定。
なぜ絵本か?というと、それは、簡単だ。
絵本を見せながら語るという行為が、幼児自身の、インプットして来る言葉や文章と、絵の中の存在や動きを結びつけて理解することに繋げて行くからである。
一人で読ませるより、親や先生、或いは、理解して語ることができるより上の子供が語ることが一番いい。
かくいう私も、幼い時、絵本を自分で読むより、先生や親に話してもらうことが一番わかりやすかったと記憶がある。
その「わかりやすかった」が、重要な鍵であると考えれば、絵本の読み聞かせで、ろう児には手話が欠かせない。音声や口話で語り掛けること自体が、ろう児には酷なことだ。
そういう点を考えれば、読唇訓練だけでは、中途半端となってしまう。
又、読唇の訓練になるからと主張する人がいるが、読唇の訓練はいつでもできる。
読唇訓練には、理解できるコミュニケーションツールが不可欠だ。
ろう教育の現状では、読唇訓練をしながら、理解する為のコミュニケーションツールが存在していないから、当然、ろう児にとっては残酷だ。
そういう時代を過ごした、多くのろう者(成人)曰く、

訓練時、先生の言うことがわからなかった
先生の唇を真似るだけで精一杯だった
叩かれる(罰せられる)理由もわからなかった
辛い授業だった

であった。
「わからなかった」、それが重要な鍵だ。

 -----(案内)-----
講演会のご案内ページへ
http://www.normanet.ne.jp/info/koenkai20061112.html


「昔からいつも私の最大の念願であり、夢の1つは、本で得られる全ての
素晴らしい冒険への鍵を子どもたちに運ぶことです。」
ハイジ・コートナー・ボイエセン氏

障害のある子どもたちが楽しめる本とは?
国際児童図書評議会(IBBY)障害児図書資料センターのハイジ・ボイエセン氏を招き、IBBYの活動を通して障害児に対する読書支援について講演をしていただき、それを受けて日本の障害児への読書支援についてJBBY(社団法人日本国際児童図 書評議会)の撹上久子氏にお話をいただきます。

また、具体的な1つの支援方法としてDAISYについて(財)日本障害者リハビリテーショ ン協会の取り組みについても報告をいたします。
最後に意見交換により参加者と共に障害のある子どもたちも読書を楽しめるより良い 読書環境について考えていく機会を提供します。
また、会場においては海外及び日本のバリアフリー絵本の展示も行いますのでどうぞ お楽しみ下さい。

【主催】 (財) 日本障害者リハビリテーション協会
【開催日】 平成18年11月12日 (日) 13:30~16:30
【会場】 虎ノ門パストラル5階 ミモザ
   東京都虎ノ門4-1-1
   地下鉄日比谷線神谷町駅4b出口より徒歩2分
   地下鉄銀座線虎ノ門駅2番出口より徒歩8分
   アクセス http://www.pastoral.or.jp/access/index.php

【講師】
   ハイジ・コートナー・ボイエセン氏
     IBBY障害児図書資料センター長/Haug School and Resource Centre
   図書館司書撹上久子氏 
     日本国際児童図書評議会 バリアフリー絵本展実行委員長/臨床発達心理士

【プログラム】
  13:15 受付
  13:30 開会
   挨拶 (財)日本障害者リハビリテーション協会
  13:45-14:30  講演 「障害のある子どもたちに読書の楽しみを」
   ハイジ・コートナー・ボイエセン氏

   休憩
  15:00-15:30 講演 「日本におけるバリアフリー図書の推進活動について」
   撹上久子氏

  15:30-15:50 報告 「DAISYを利用したバリアフリーな図書製作」
     (財)日本障害者リハビリテーション協会
  15:50-16:30 意見交換
  16:30 閉会

当協会ウェブサイトDINF(障害福祉保健情報)掲載中の関連記事本の力―世の中を変える?ハイジ・コートナー・ボイセン氏
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/info/norway.html
2005年度 「IBBY障害児図書推薦リスト」より
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/info/ibby.html

申込要領
●参加費: 無料
●募集人数: 100名(事前申込制)
●申込方法: (財)日本障害者リハビリテーション協会情報センターまでメール
   またはFAXにて11月8日(水)までにお申込み下さい。
●その他: 逐次通訳、パソコン要約筆記あり
   ★手話通訳・点字資料・磁気ループが必要な方はお申込み下さい。

e-mail: dinf-j@dinf.ne.jp 担当:有田・飯田
FAX:03-5273-1523
お問い合わせTEL:03-5909-8280/03-5273-0601

「参加申込み用紙」
お名前(ふりがな):
ご所属
ご連絡先
□住所 〒
□電話
□FAX
□e-mailアドレス

下記に該当します(該当するものに○を付けてください。)
1) 車イス使用
2) 手話通訳が必要
3) 点字プログラムが必要
4) 磁気ループが必要

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2006年10月 7日 (土)

北海道のろう学校に手話導入

だいぶ2週間ほど経ってしまったが、北海道教育委員会で、北海道内のろう学校の手話導入を明示した。
東京都は、各ろう学校で手話導入を受け入れている方向へ移りつつあるが、残念なことに、教育委員会が教育方針を示してはいない。
東京都教育委員会が北海道の教育委員会を見習って欲しいと思っている。

※参考として、そのまま引用です。

手話:ろう学校で導入、道教委が実践研究へ 来年度から数校指定方針 /北海道
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/hokkaido/shakai/archive/news/2006/09/28/20060928ddlk01040177000c.html
(毎日新聞オンライン)

 道教委は27日、道内のろう学校で手話導入の実践研究を実施する方針を明らかに した。国内のろう教育は補聴器でわずかな音を聴きながら口の動きを読み取る「聴覚 口話法」が主流で、手話を体系的に学ぶ機会はほとんどない。道教委は全国の専門家 を集め年度内に独自の研究デザインを策定。来年度から道内のろう学校数校を実践校 に指定する。

 道議会本会議で自民党・道民会議の小野寺秀氏(帯広市)の質問に吉田洋一教育長 が答えた。

 道立ろう学校は8校あり(うち1校は高校に相当する高等ろう学校)、351人 (5月末現在)が学ぶ。幼稚部(幼稚園に相当)で口話の基本を習得。手話は聴覚障 害者の親を持つ子供が家庭内で学んだり、子供同士が遊びの中で覚えるしかなかった。

 日本弁護士連合会は05年4月、聴覚障害者からの人権救済申し立てを受け、「法 的に手話を言語と認め、手話ができる聴覚障害者を教員として積極的に採用すべき だ」と文部科学省に提言した。

 道教委は今後、発達心理学や言語学の専門家やろうあ者団体、保護者らに参加を呼 びかけ外部委員会を設置。文法体系が日本語と異なり、聴覚障害者の意思疎通に適す ると言われる「日本手話」と日本語の書き言葉双方の習得(バイリンガル教育)を念 頭に、障害の程度に応じた導入時期や口話との併用方法などを検討する。ただ、口話 教育を望む子供には口話を引き続き用いる。

 道ろうあ連盟の石澤美和子事務局長は「長年の要望が認められ、『やっと』という 思いだ。手話が習得できれば人とのつながりも広がる。ろう学校にろうあ者の教員が 増えてほしい」と歓迎している。【横田愛】

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2006年7月 5日 (水)

第18回ろう教育を考える全国討 論集会inくまもと

ろう教育の明日を考える連絡協議会主催による「第18回ろう教育を考える全国討 論集会inくまもと」の参加申込が去る6月30日に締め切られているが、参加者の少なさという理由により、締切を延期して、追加募集を行っています。

プログラムの詳細 などは、次のURLで。
URL http://www.kumarou.com

この注目すべきことは、地元熊本県立熊本聾学校の「手話力向上プロジェクト」特別報告だ。
熊本聾学校のこのプロジェクトは、熊本県がバックアップして、「教育行政とタイアップしての聴覚障害教育の発展」のモデルとして、全国から注目されています。

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2006年4月17日 (月)

東京都立中央ろう学校

20060411_00220060411_0013月13日に「都立ろう学校の閉校」を書いた。
石神井+大田+大塚・杉並・品川の中学部が統合され、中高一貫校の都立中央ろう学校の入学式が、4月7日(金)に、元石神井ろう学校で行われた。
校門では、「石神井ろう学校」から「中央ろう学校」と変わった。
この中高一貫のろう学校としては、全国初だそうだ。

私の、東京都聴覚障害者連盟副理事長としての初仕事は、都立中央ろう学校の入学式来賓であった。
入学式来賓席に座って、式典の進行を見守った。
単に入学式の来賓として出席して、「祝辞を述べて見るだけでは駄目だ」と考え、来賓者に挨拶、特に、教育関係者(教育委員会)と政治関係者(議員)に挨拶することも大切だと肝に銘じて、何人かと挨拶を交わすように心構えて、努めた。
この初仕事で思ったことは、来賓者との挨拶には、タイミングさが本当に大切だということ。
タイミングを掴んでおかないと、挨拶することもできず、すれ違いになってしまう。それは、勿体無いことだが、本当に難しいと思った。もっと経験を積んで、タイミングを掴んで、名刺を交わして挨拶をして、我々の課題を述べて、そして、今後の情報を入手できるように努めたいと思っている。

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2006年3月13日 (月)

都立ろう学校の閉校

最近数週間のうちに、都内の都立ろう学校の閉校式が相次いでいる。
というのは、かって、都立ろう学校8校が、4校3分校と統合される。おれは過度であって、将来、1校3分校が廃校されて、中央・葛飾・立川の3校へ統合される予定だそうだ。

<現在>
大塚(幼稚部・小学部・中学部)
江東(幼稚部・小学部・中学部)
品川(幼稚部・小学部・中学部)
杉並(幼稚部・小学部・中学部)
石神井(高等部)
大田(高等部)
葛飾(幼稚部・小学部・中学部・高等部)
立川(幼稚部・小学部・中学部・高等部)

<統廃合>
大塚(幼稚部・小学部)
  江東分校(幼稚部・小学部)
  品川分校(幼稚部・小学部)
  杉並分校(幼稚部・小学部)
中央(中学部・高等部)
葛飾(幼稚部・小学部・中学部・高等部)
立川(幼稚部・小学部・中学部・高等部)

<最終>
中央
葛飾
立川

詳細は、次のページでごらんしていただく。

まず一番気がかりになるのは、1時間以上かけるような遠距離通学の子供をどう守るかである。

そして、「特別支援教育」とか、いろいろな提案が出されているが、今のろう学校は、悪循環に陥ってしまったまま、なかなか、抜けられないでいる。
ろう学校現場では、口話教育が徹底的に行われ、子供達は唇を読み取るのに必死であり、勉強のことは何もかも手をつけられない。インテグレーションした学校では、子供達が先生の話なんかわからないから、自分で勉強できる子は独学で伸ばしていくが、周辺の子供とのスキンシップが成っていない。
両方の子供も駄目になったままだ。多くのろう学校現場の先生は、何もしていないのが事実であり、なかなか悪循環から脱していない。
そんな悪循環に陥ったままのろう学校を、特別支援教育の拠点にしようという話は、歯がかみ合わないものだ。

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2006年2月23日 (木)

特別支援教育は、何の為?

インターネットで、次の、今日付けの記事が出た。

盲・ろう・養護学校を一元化、「特別支援学校」に改組

多くのろう学校が反対しているし、ろう学校卒業生も反対しているのに、文部科学省が無視してるのかと気分がいいものではない。
ともかく、文部科学省公式ウェブで、特別支援教育の取り組み動きがあるかと調べたら、ちゃんと、ページが出ていました。

特別支援教育について

14 今後の特別支援教育の在り方について

いろいろと見ていたら、リンクのページが出ていると気づき、早速見に行って来た。リンクとは、ホームページの「公認」と解釈することもできるから、リンクに出ているところが、文部科学省の「公認」だと思っていいわけ。

特別支援教育ネットワーク推進委員会(平成15年4月発足)

組織メンバーは、次の通り。どういう組織があるかと覗いたら、ろう学校と盲学校関係と思われる組織がないようだ。

○ 全国連合小学校長会
○ 全日本中学校長会
○ 全国特殊学級設置学校長協会
○ 全国特殊学校長会
○ 独立行政法人国立特殊教育総合研究所
(全国特殊教育センター協議会の代表)
○ 国立大学教育実践研究関連センター協議会
○ 日本LD学会
○ 日本特殊教育学会
○ 日本発達障害学会
○ 日本小児神経学会
○ 日本児童青年精神医学会
○ 全国LD親の会 (LD)
○ NPO法人えじそんくらぶ (ADHD)
○ 日本自閉症協会 (高機能自閉症)

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