2009年5月30日 (土)

ろう者賞賛(6) ドミニク・オウマ・マジワ氏Dominic Ouma Majiwa

Dominic今日は、ドミニク・オウマ・マジワ 氏Dominic Ouma Majiwaについて書こう。
先週5/25に亡くなられたというニュースが流れた。

Kenya Sign Language Interpreters Association - (KSLIA)より引用
 ---(引用)---
It is with profound sorrow and shock that we announce the death of Dominic Ouma Majiwa. Dominic pass away yesterday at his home in Nairobi.Rest in Peace Mzee Dominic Ouma Majiwa

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Tentative Funeral date has been set for 13th June 2009 at his rural home in Kasipul Kabondo. Funeral arrangement meetings will continue from Wednesday 27 May 2009 to
Wednesday 10th June 2009 at Immanuel Church of the Deaf, 7th floor,
Kenbanco House, Moi Avenue/Haile Selassie Avenue junction. Please, feel
free to attend ot the said dates and also send your generous
contributions.
      ************
Condolence Books have also been opened at the Immanuel
Church of the Deaf and at the UoN Kenya Sign Language Research Project
(KSLRP) offices!
 ---(ここまで)---

地域事務局長としてお悔やみを表すと共に、彼を讃えたい。
マジワ氏は、アフリカ東部・南部地域事務局長を担っており、私とはまだ面識がない。

マジワ氏は、ケニアろう協会会長、手話通訳養成、そして、世界ろう連盟理事と東部・南部地域事務局長を務め、アフリカ東部・南部のろう者をリードし、ろう者の自立・社会参加を促すために取り組んできた功労者である。
高田WFD名誉理事と共に、世界中のろう運動に貢献した。

今回の関連で検索したら、マジワ氏自身の画像と記事が意外と少ない。
やはり、後進のためには、多くの実績を明文化して残すことが重要だと思う。

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2009年5月24日 (日)

ろう者賞賛(5) 設楽進

ようやく日本ろう者です。
今日は、(故)設楽進さんについて書こう。

日本ろう話学校卒後、八王子市で、最初のロウア・クラブ、そして、八王子市聴覚障害者福祉協会を発足させて、長く会長を務めた。
八王子市聴覚障害者協会の歴史を確かめていないが、たぶん、1995年頃まで、20数年間、会長を務めた。
退いた後も、2007年冬に亡くなられるまで、現役として、八王子市聴覚障害者協会顧問を担っていただいた。

八王子市聴覚障害者協会の基盤を固め、八王子市・市長とのパイプが良好で強固であるのは、設楽さんの賜物だと思っている。また、リーダーとして活躍して、八王子市の聴覚障害者福祉の向上に大きく貢献して下さった。

今後も、天国から八王子市聴覚障害者協会見守って下さい。

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2009年5月18日 (月)

ろう者賞賛(4) Clayton Vally

Clayton今日は、故クレイトン・バリーClayton Valli博士について書こう。
私の人生上一番大きな影響を受けたろう者の一人。
社会言語学博士であり、米国手話詩の詩人でもある。
1998年秋に初めてお会いし、来日できないかと交渉して、1999年秋に来日を実現した。
当時、ろう者自身の手話を用いて詩を創作することが考えられなかった。バリー博士の詩学理論を聞いて、創作できることを教えられた。

Fc1563680971社会言語学研究論文を、セル・ルカース博士共著『アメリカ手話の言語学』に載せられている。非常に評価が高い研究論文であると知られ、多くの手話言語学研究論文に引用されている。
私も読んで、フィールドワークのあり方、実験環境の作成について、多く学んだ。
http://books.google.co.jp/books?id=mfS3GlTLAUMC&pg=PA193&lpg=PA193&dq=Clayton+Valli+deaf+poem&source=bl&ots=QpQhNB4byx&sig=JStrH7r-QxYTb_Jom3mwQWQueA8&hl=ja&ei=Az4QSsPGMKfa6gP3gMHvDQ&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=2#PPR13,M1

950354それから、バリー博士の米国手話詩、特に、『Hands(手)』が世界中有名な詩の一つ。
世界中、手話詩創作に関わっているろう者なら誰でも知っていて、知らないとモグリと言われているほど、大変有名。私も何回も見ても感動させられる。
私の一番お勧めであり、次のURLで注文することができる。
http://www.dawnsign.com/support/aslpoetry.html

最後に、『たんぽぽ』の米国手話詩ビデオを収めたものがある。

バリー博士は、2005年頃、手術後の心不全により、亡くなられた。
エラ・マエ・レンツ女史と共に、手話文学の礎を固めたろう者の一人が、世の中から去ったことが、本当に心が痛い。だがしかし、我々は、バリー博士を忘れてはならないと思っている。

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2009年4月26日 (日)

ろう者賞賛(3) Liisa Kauppinen

Lissa02今日の3回目は、リサ・カウピネンLiisa Kauppinen女史。

世界ろう連盟World Federation of the Deafの事務局長を経て、理事長、現在、活動前線から退いて、名誉理事長となっている。かなり長い間、世界ろう連盟に関わり、世界中のろう者のために貢献してきた。

Lissa01世界中一番好かれているろう者は、きっと、このリサ・カウピネン女史だろう。
彼女の国際手話は繊細でなかなか見事なものである。
見たことがない人は、動画像を見るのが一番だが、国際手話の動画像があるかと探しても見つからない。
フィンランド手話だが、次のURLで見ることができる。ご勘弁下さい(苦笑)。

彼女を見る、どうもアジアの血が流れているのではないかと思ってしまうほど、アジア的な顔つきである。本人に未だに確認していない。
だが、フィンランドの北極圏内にサーメ人が多く住んでいることが知られている。もしかして、サーメ人の血が流れているのではないかと推測している。

20080822_033左画像は、2008年8月に世界ろう連盟関連の会議に出た時、その合間に、彼女の部屋へ訪問して一緒に撮ったもの。私にとって、「宝」である。

それから、リサ・カウピネン女史自身のホームページは、次の通り。
http://www.liisakauppinen.fi/fi/index.php

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2009年4月25日 (土)

ろう者賞賛(2) Clark Denmark

ろう者賞賛2回目は、英国のクラーク・デンマークさんClark Denmarkを紹介しよう。

Clark02現在、英国・セントラルランカシャイ大学University of Central Lancashireで教鞭をとっておられる。
2006年まで、ブリストル大学University of Bristolで教鞭をとっていた。私が初めてお会いしたのは、2001年のブリストル大学ろう者学研究センターでした。
クラークさんは、スコットランド出身で、BBCで時々出演している奥さんと一緒に暮らしている。

英国のろう学校を出た後、ギャロデット大学へ留学するが、途中で英国へ帰国。英国で大学に入り直して、コンピュータ工学を専攻。

英国ろう協会で、確かに1980年代に、大きな議論が話題となった。それは、ろう者の存在意義、ろう文化・手話の定義・意義に関して、肯定派と否定派に分かれて激論が交わされていたことが、英国ろう協会機関紙に載った。
肯定派は、クラークさん。否定派は、名前を失念した。
クラークさんは、ろう者集団と手話について文化人類学的に理論を述べ、ろう者間に交わされる手話が大切だと主張し、否定派の主張は手話が劣等だということだったと思う。
ある意味では、英国ろう者界の大きな投石だったといえる。
あれから、クラークさんは、英国内で、多くの手話教師を育成した。
1995年に検討が始まり、2005年に施行された英国・障害区別条例DDA(The Disability Discrimination Act)に、聴覚障害者の情報保障は「手話と文字(字幕)」明記の働きかけとなった運動の1人でもあった。
彼は、ろう者としての生き方を一貫し、ろう者としての信念をもち、人生を歩いている。この姿を、私は大きく学んだ。

クラークさんの話しぶりさはなかなかいい。
http://www.ac2.com/uclan/people/clarkdenmark.html

人々の記憶:英国ろう協会編
Clark01
http://www.youtube.com/watch?v=KkiKXJ54t_E
ダイアナ元妃殿下をまつわる話で、クラークさんのところに、英国手話を習いに来た頃の思い出を語っている。若いクラークさん姿、痩せていたのである(笑)。

他に探せば、幾らでも沢山出てくる。

<参考>
DDA
http://www.opsi.gov.uk/Acts/acts2005/ukpga_20050013_en_1

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2009年4月23日 (木)

ろう者賞賛(1) Ella Mae Lenz

世界各地でろう者として活躍されていて、私が賞賛を贈りたい方々を紹介しようと思っている。
そのタイトルを「ろう者賞賛」として、シリーズ化!
まず、ろう者は、医学的社会的に、「障害者」に属するが、文化人類学的に、「手話を言語とし、ろう者集団規範に則って行動する少数派」と捉えることができる。

今日の第1回目は、米国手話詩を語る、素敵なろう女性を紹介しよう。Mae01
その名前は、エラ・マエ・レンツElla Mae Lenz女史。
米国で、米国手話ASLの教師を務めている傍らに、ろう児の教育に関わっている。
エラ女史がいつも主張しているのは、ろうの子供には手話が必要であることを、聞こえる親が理解すべきだということである。
エラ女史は、別の素晴らしい芸術才能を持っているのも有名事実。それは、米国手話詩(ASL Poetry)の詩人であり、動画像を沢山残している。ビデオも売られている。
エラ女史が奏でるASL詩は、リズミカルで前向いて歩いて行くような、素敵なものが多い。

エラ女史が時々投稿している個人ホームページがある。
Ella’s Flashlight
http://www.ellasflashlight.com/

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