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2006年5月21日 (日)

クロアチア紀行(5)

ドブロブニク旧街は、大勢の観光客で賑わしているが、どこかの片隅で静かな一時を保っていた。
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当時に描かれた多くの絵が博物館や教会で展示されている。
シルクロードへ繋げて海上貿易で富を得て栄えたドブロブニクの旧街で、どんな人物が暮らし、歩き、船に乗って行ったのか、よくわかる。
早足で旧街を巡り回っていると、日が傾いて、蜜柑色が帯びて来た。
そろぞろ、荷物を預けているホテルへ戻らなければならない。

ホテルのカウンターに着くと、キャンセル有無を伺ったが、か細い希望に託した。
フロント係曰く、今夜大勢の団体が来る為、キャンセル有無の確認が難しいとのことだった。

「ザグレブへ戻ろう、そして、他の街へ行こう」

と、脳裏を過ぎった。ホテルへ戻る前に、インフォメーションセンターで、ドブロブニク発ザグレブ行きの夜行バスが3便、出ていることを確認したから。
カウンター係に、夜8時発夜行バスの予約を頼んだ。

バスターミナルの切符売り場で名前を伝えて、切符を受け取る。
待合室で待っていると、客引きがやって来た。安宿(民宿)の客引きだ。泊れるようだ。
ホテルが満杯であっても、安宿(民宿)に泊れるという可能性が残されていることは、どこの観光地にも必ずあるのだ。しかし、吹っかけかどうか、衛生がどうか、あまり気が進まないものだ。「アウィルカムバックツ ザグレブ(ザグレブへ戻る)」と、断る。

夜7時50分頃にバスに乗り込む。
昨日夕方に来た時の同じ道を逆方向(北方向)へ走る。
バス・エンジンの低い呻り音が、車内を響かせている。夢中で歩き回った足の疲れ、さめない感動と興奮の身には、その響き心地が快いものであった。
日が暮れて来た。ずっと北上するバスの窓から、アドリア海に映る夕映えは、黄色、橙色、紫色へと移ってゆく。

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途中で、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの入国だ。入国イミグレーションで、乗客はバス中で待機。
強面の係員が乗り込んで、一人ずつ、パスポートなどを検査する。
全員パスできると、バスが発車。
しばらく走ると、ネウムNeumという町の、白い民家が沢山立ち並んだ美しい湾への展望ができる休憩所に止った。
バス運転手が休憩だと言うと、乗客の多くは急ぎ足で店へ駆け込んだ。
私はトイレかと思ったが、そうではないとわかった。
クロアチアの半分位の値段で買えるのだ。私は、飲み物を多めに買い込んだ。
全員バスへ戻ると、すぐ発った。湾に沿って走ると、すぐ、出国イミグレだ。ずっと走れば、30分ほどであろう。
飛行機に乗っているわけでもないが、入国から出国まで30分間という短さは、不思議な経験となった。日本では経験できないことだ。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナの唯一の、海に面する地域だ。

日がとっぷりと暮れて、街灯以外は何もかも見えない。すれちがう車のライトがバスの中を瞬く間に照らして去る。バスの中で静かに寝ながら、夜は更けていった。

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